生高菜を手に入れたとき、どう漬ければいいか迷うことはよくあります。塩加減や漬け時間のちょっとした違いが、仕上がりの味と食感を大きく左右するのが高菜漬けの面白さです。難しそうに見えて、基本の手順を押さえれば家庭でも十分に作れます。
この記事では、生高菜の下処理から浅漬け・本漬けの作り方、保存方法まで順を追って解説します。初めて挑戦する方でも迷わないよう、塩の量の目安や失敗しやすいポイントも合わせて整理しました。
旬の生高菜を使った手作り漬物は、市販品とは一味違うシャキシャキ感と風味が楽しめます。ぜひ一度試してみてください。
生高菜の漬物とはどんな漬物か
高菜はアブラナ科の野菜で、からし菜の一種です。葉が緑色の青高菜と、葉に紫色が入る紫高菜の2種類が主に流通しています。旬は12月から3月で、この時期にスーパーや産直市場で生高菜が手に入ります。
高菜漬けの特徴と種類
高菜漬けは、塩漬けを基本として醤油漬け・みそ漬け・からし漬け・明太子漬けなどさまざまな種類があります。家庭では塩だけで漬けるシンプルな方法が基本です。
浅漬けは1〜3日程度で仕上がる手軽な方法で、シャキシャキした食感が特徴です。一方、本漬け(古漬け)は浅漬けをさらに漬け直し、数週間〜数か月かけて乳酸発酵させるもので、酸味と深いうまみが生まれます。
高菜漬けの栄養について
文部科学省の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」によると、高菜漬け100gあたりのエネルギーは30kcalです。βカロテンが2400μg含まれており、緑黄色野菜としての栄養も備えています。
ただし、ナトリウムは100gあたり1600mgと多いため、食べすぎには注意が必要です。漬物全般に言えることですが、量を調整しながら食卓に取り入れるとよいでしょう。
生高菜が手に入る時期と選び方
生高菜の旬は12月から3月ごろです。この時期を外れると生の高菜は手に入りにくくなるため、見かけたときに漬けるのがよいでしょう。
選ぶ際は、株が十分に育っていて葉に厚みと艶があるものを選ぶと仕上がりが良くなります。葉の色は青でも紫でも漬物に向いており、色の違いは好みで選んで問題ありません。
・浅漬けと本漬けでは漬け時間と仕上がりが大きく異なる
・栄養価は高いが塩分も多いため量の調整を
・生高菜は旬(12月〜3月)に入手し、その日のうちに処理を始めるのが安心
- >高菜はアブラナ科・からし菜の一種で青高菜と紫高菜がある>漬け方は浅漬け・本漬けの2段階が基本>旬は12〜3月で、葉に厚みと艶があるものを選ぶとよい>文部科学省の成分表によるとβカロテンが豊富、塩分には注意
生高菜の下処理と漬ける前の準備
漬ける前の下処理が、仕上がりの味と保存性に直結します。洗い方・天日干し・塩の計量という3つの工程を順番に行っておくと、失敗しにくくなります。
高菜の洗い方
生高菜は根元に土や砂が残りやすいため、1枚ずつ丁寧に流水で洗います。特に根元付近は汚れが詰まりやすいので、しっかり広げながら水を流すとよいでしょう。
洗い終わったらザルに並べ、しっかりと水を切ります。水気が残ったまま漬けると仕上がりが水っぽくなるため、ここで時間をかけて水を切ることが大切です。
天日干しの目安と効果
洗った後に天日干しをすると、高菜の甘みが増して仕上がりが良くなります。丸ごと干す場合は物干し竿に引っかけ、少量であればザルに並べて1〜2時間程度日に当てるとよいでしょう。
葉が薄い場合は3〜4時間程度でしんなりします。天日干しが難しい場合は、室内でザルに広げて半日ほど置くだけでも水分が飛んで扱いやすくなります。
塩の量の計り方
塩の量は高菜の重量に対して2〜3%が基本の目安です。たとえば高菜200gに対して塩4〜6g、400gなら塩8〜12gが目安になります。
少なすぎると発酵が進まず味がぼやけ、多すぎると塩辛くなりすぎるため、最初はデジタルスケールで正確に計るとよいでしょう。古漬け(長期保存)を目的とする場合は5〜6%程度と少し多めにすることもあります。
容器と道具の準備
漬物容器はホームセンターやキッチン用品売り場で販売されているものが使いやすいです。ない場合はチャック付き保存袋で代用できます。容器は使用前にしっかり洗い、食品用アルコールスプレーで内側を拭いておくと清潔に保てます。
重石は漬物石でなくても、1リットルのペットボトルに水を入れたもので代用できます。2本分(約2kg)を目安に用意するとしっかり重さがかかります。
| 高菜の重量 | 浅漬け(2〜3%) | 古漬け(5〜6%) |
|---|---|---|
| 200g | 4〜6g | 10〜12g |
| 400g | 8〜12g | 20〜24g |
| 600g | 12〜18g | 30〜36g |
| 1kg | 20〜30g | 50〜60g |
- >根元の汚れは1枚ずつ丁寧に流水で落とす>天日干し1〜2時間で甘みが増す(室内干しでも代用可)>塩は高菜の重量の2〜3%が浅漬けの基本>容器は食品用アルコールで拭いてから使う>重石はペットボトルで代用できる
浅漬けの作り方と漬け時間の目安

浅漬けは1〜3日で仕上がる手軽な方法です。手順はシンプルですが、高菜の重ね方と空気の抜き方がポイントになります。
基本の手順(塩漬け浅漬け)
下処理を終えた高菜を容器の底から順に並べ、塩を振りながら重ねていきます。1段目を並べたら塩を振り、2段目は葉の向きを変えて重ねると、全体に塩が行き渡りやすくなります。
昆布や鷹の爪を間に挟むと風味が増します。昆布は端に切り込みを数か所入れておくとうまみが出やすいです。鷹の爪は1本を縦半分に割いて種を除き、入れる量でピリ辛の強さを調整できます。
重石のかけ方と漬け込み時間
高菜を敷き詰めたら中フタをして重石を乗せます。重石が重いほど早く水分が出てきます。室温が高い季節は冷暗所か冷蔵庫で管理しましょう。
漬け込み時間の目安は1〜3日です。1日後に様子を見て、高菜がしんなりして水が上がっていれば順調です。保存は冷蔵庫で1週間が目安です。
チャック付き袋で作る簡単浅漬け
漬物容器がない場合は、チャック付き保存袋で代用できます。高菜と塩を袋に入れ、空気をしっかり抜いてから封をします。そのまま冷蔵庫に入れ、1日1回袋を軽くもみほぐすと均一に漬かります。
冷蔵庫で3日〜1週間程度が目安です。袋から取り出して食べる分だけカットすると使いやすく、残りはそのまま保存できます。
・1日後:しんなりして水が上がっていればOK
・葉が黄色く変色している場合は漬けすぎか温度が高すぎる可能性あり
・水が全く上がらない場合は塩が少ないか重石が軽い
- >塩を振りながら葉の向きを変えて重ねる>昆布・鷹の爪を加えると風味がよくなる>重石はペットボトル2本分が目安>保存は冷蔵庫で1週間>チャック付き袋でも代用可能
本漬け(二度漬け)で深みのある味に仕上げる
本漬けは、浅漬けをさらに漬け直す二段階の方法です。浅漬けで出た水分を一度絞り、新たに塩や昆布を加えて仕上げることで、うまみと発酵の風味が加わります。
本漬けの手順
浅漬けが完成したら、高菜をよく絞って水気を切り、容器に並べ直します。再度軽く塩を振り、鷹の爪と昆布を加えて中フタをし、重石を乗せます。そのまま冷暗所で一晩〜数日置けば完成です。
途中で余分な水分(漬け汁)がたまってきたら取り除くと、雑味が出にくくなります。本漬けの段階では、最初の浅漬けよりも少量の塩で調整できます。
乳酸発酵と古漬けについて
本漬けをさらに長く漬け込んでいくと、乳酸菌の働きで発酵が進み「古漬け」になります。古漬けは独特の酸味と深いうまみが特徴で、そのまま食べるだけでなく炒め物やラーメンのトッピングにも使われます。
発酵が進みすぎると酸っぱくなりすぎることがあります。気温の高い時期は冷蔵庫で管理し、発酵の速度を抑えるとコントロールしやすいです。
本漬けと浅漬けの違い
浅漬けはシャキシャキした食感と塩の効いたさっぱりした味わいが特徴で、漬けた直後から比較的早く食べられます。本漬けは食感がより柔らかくなり、うまみと発酵由来の風味が出ます。
どちらが正解ということはなく、好みと用途に合わせて選ぶとよいでしょう。炒め物や混ぜご飯に使うなら本漬けや古漬けが向いており、サラダ感覚で食べるなら浅漬けが合います。
・浅漬け:そのまま漬物として食べる、シャキシャキ感を楽しむ
・本漬け・古漬け:炒め物・混ぜご飯・ラーメンのトッピングに向く
- >本漬けは浅漬けを絞って漬け直すことでうまみが増す>古漬けは乳酸発酵由来の酸味と深い風味が特徴>気温が高い時期は冷蔵庫で発酵速度を調整する>用途に合わせて浅漬け・本漬けを使い分けるとよい
高菜漬けの保存方法と日持ちの目安
手作りの高菜漬けは保存の仕方によって日持ちが変わります。冷蔵保存が基本ですが、長期保存したい場合は冷凍も選択肢のひとつです。
冷蔵保存の日持ち
浅漬けは冷蔵庫で2日、本漬けは2週間程度が目安です。保存する際は空気に触れないよう、密封容器やチャック付き袋に入れてしっかり封をします。漬け汁ごと保存すると乾燥を防げます。
腐ってしまうとカビが生えたり、黒く変色したり、糸を引くような状態になります。このような変化が見られたら食べずに処分するのが安全です。
冷凍保存の方法と注意点
長期保存したい場合は冷凍できます。冷凍保存した場合、1年程度は保存できます。食べる分ずつ小分けにしてラップで包み、チャック付き冷凍袋に入れて保存するのが基本です。
解凍後は漬物として食べられるほか、塩抜きして炒め物や煮物にも使えます。ただし、冷凍・解凍を繰り返すと食感が落ちるため、一度解凍したものは使い切るようにしましょう。
保存中の注意点
常温での保存は推奨されていません。特に気温が高い時期は発酵が急速に進みすぎて酸味が強くなったり、傷みやすくなったりします。冷蔵庫か冷凍庫での保管を基本にしましょう。
また、取り出す際には清潔な箸やトングを使い、余分な菌が入らないよう注意することが大切です。容器のふたをこまめに締め、不必要に空気を入れないようにすると日持ちが延びます。
Q&Aでよくある疑問を整理
Q. 漬けたばかりなのに黄色っぽくなってきた。食べられる?
高菜漬けは時間が経つにつれて自然に黄色みを帯びることがあります。これは発酵が進んでいるサインで、においや食感が正常であれば問題ありません。ただしカビや異臭がある場合は食べずに処分しましょう。
Q. 塩を入れすぎてしまった。塩抜きはできる?
塩が強すぎた場合は水に5〜10分ほど浸けて塩抜きができます。水に浸ける時間が長すぎると旨みも抜けてしまうため、味を確認しながら時間を調整するとよいでしょう。
- >浅漬けの冷蔵保存は2日、本漬けは2週間が目安>冷凍保存は約1年持ち、解凍後も漬物・炒め物に使える>常温保存は避け、冷蔵・冷凍を基本にする>取り出す際は清潔な道具を使う>塩が強すぎた場合は水に浸けて塩抜き可能
まとめ
生高菜の漬物は、塩の量と漬け時間を押さえるだけで家庭でも十分に仕上げられます。浅漬けは1〜3日のシンプルな塩漬けで、本漬けは浅漬けを絞って漬け直すことでうまみが増す二段階の方法です。
初めて挑戦するなら、高菜200gに塩4〜6g(重量の2〜3%)を基本に、チャック付き袋と重石代わりのペットボトルで始めてみるのが一番取りかかりやすい方法です。
旬の生高菜が手に入ったときに、ぜひ手作り漬物を試してみてください。市販品とはひと味違う、自分好みの高菜漬けができる楽しさがあります。

